江東区の整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科です。痛風/関節炎/骨粗鬆症/スポーツ外傷の治療。

中高年の方に多く膝の軟骨がすりへり、いたむことによっておこる病気です。
軟骨は膝にかかる衝撃をやわらげるクッションの役割をします。これがいたむことによって骨に変形が生じたり、また炎症が起きて水がたまったりします。日本中で1,000万人の患者さんがいると言われています。特に女性に多く見られます。進行のしかたを図で示します。

※変形性膝関節症が進行するにつれて軟骨（青色の部分）がすり減り、最後には軟骨の下にある骨が露出し、衝突しています。

1. 基礎療法
   この病気の基礎となる最も大事な治療です。
   ① 減量
   ② 体操療法　膝のまわりの筋肉を強くし、また筋肉の柔軟性を高めます。
2. 薬
   炎症の強い時には、痛みをとり、炎症を和らげる飲み薬や湿布を使います。
3. 理学療法
   温熱療法やレーザーなど
4. 関節注射
   ヒアルロン酸の注射が一般に行われます。
5. 装具療法
   サポーターや足底板など
6. 手術
   以上の治療をしても効果が得られず日常生活が十分に行えない人が対象です。
   一般に人工膝関節置換術が行われます。

水を抜くことによって水がたまりやすくなる、すなわちくせになるということはありません。ただし、関節にたまる水は関節が炎症を起こすことによって生じるものなので炎症がおさまらない限りまた、たまります。いかに炎症をおさめるかが大切です。

関節に炎症が起きればどの関節でも水が溜まります。ただし、他の関節に比べて膝は関節包が大きく、関節のスペースが広いためにたまる水（関節液）の量が多いのです。

変形性膝関節症が進んでくると自分の体重を支える膝の周囲の筋力が弱くなり、 歩行時に膝が横揺れするようになります。この際に痛みがおこります。
階段の下りでは特にこの現象が著明です。
体操で筋力を強くするとこの横揺れが少なくなり、痛みも軽くなります。

やり方を図示します。

膝関節注射は、変形性膝関節症の痛みをとる大変有用な方法です。
通常はヒアルロン酸の注射を行います。ヒアルロン酸は、膝の痛みをとるだけでなく関節を滑らかにする作用や軟骨を活性化する作用も持っています。最初は週1度で5回続けて注射をし、その後も痛みが続く人は2週間1回程度注射を続けます。

変形性膝関節症でよく使われる装具はサポーターと足底板です。
それぞれ説明します。

1. サポーター
   通常写真のような巻くタイプのものを使用します。
   これは前から見ると膝のお皿の部分が開いているため締め付けられる感じがあまりしません。また、両横に支柱が縫い込まれています。この支柱があることによって横揺れを押さえて膝を安定させ、痛みを軽減します。薬局などで売っている柔らかな素材のはくタイプのものは、保温目的で使うにはよいですが膝を安定化する作用がなく、歩行時にはあまりおすすめしません。
2. ２．足底板（外側楔状）
   変形性膝関節症のかたは、O脚変形のことが多く自分の体重を主に膝の内側で受けています。そのために膝の内側の軟骨がすり減り、痛みます。この足底板は外側が厚く（通常7〜１０ミリ）内側が薄く、断面が楔状になっています。そのために体重が均等にかかるようになり膝の痛みが軽減します。外側の軟骨もいたんでいるような進行した方には使えません。

痛みの程度にもよりますが、一般には歩いたり、運動したりすることは良いことと言われています。運動はウォーキング、水泳（水中ウォーキングもおすすめです）、自転車、卓球、太極拳などのゆっくり呼吸しながらできる有酸素運動がおすすめです。
運動をしないと、筋肉がやせたり体重が増えたりの悪循環になり益々、膝の痛みが強くなります。ただし、膝に熱感や発赤がある時や痛みの程度が強い時は、運動はせず、まず、整形外科を受診してください。

階段昇降のコツをお教えします。